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アメリカの美味しいバターの選び方

2020年10月5日月曜日

パン作り・材料

※元々は「パンやお菓子に使うバターを選ぶ際の参考に」という趣旨の記事なので、無塩バターの比較について書いています。有塩バターについてもページ最後に少し追記しましたのでご参照ください。

随時、追記·修正·更新しております。転載や盗用はご遠慮ください。部分引用の際は必ずページリンクを記載いただきますようお願いいたしますm(_ _)m

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アメリカにはたくさんの種類のバターが売っていて、選ぶのに苦労しますよね。
特にアメリカのバターはブランドによってかなり風味が違います。

乳脂肪の含有量も80%のものと、ヨーロッパタイプの82%のものがあります。

美味しいバターを練り込んだパンはやっぱり美味しくなります!
特にクロワッサンやデニッシュは折込バターの味や性質が顕著に出るので、バター選びは重要です。


アメリカの美味しいバターはどれ?


パンや焼菓子には、バターの風味が大きく影響します。

人が”味”と感じるもののほとんどが、実は「香り」です。
そのため、バターの風味はとても重要。


これは、最近この辺のスーパーで新しく見かけるようになったバターです。
Cultured Butter(発酵バター)なのですが、値段が手頃で美味しい!
※最近これも以前に比べて物性品質が落ちました(2024年追記)



日本のバターとアメリカのバターの違い


日本のバターは大きな差が無い

日本のバターといえば、日常的に使えるのは雪印・明治・よつ葉くらい。風味に若干の違いはあれど、パンに練りこむ程度ではそんなに大きな差はありません。日本は『乳等省令』で規格が厳しく管理されているので大きな違いが出にくいのかもしれません。

発酵バターのエシレバターやカルピスバターもありますけど、贅沢品ですね。。。



アメリカのバター(無塩)は風味がいろいろ

一方、アメリカのバターはブランドによって風味がけっこう違います。パンでも違いがわかるほど。アメリカのスーパーで見かける無塩バターの原材料表示をいくつか比較してみました。


作り方は日本と同じ。牛乳を殺菌濃縮したクリームから脂肪分を分離して作ります。
ただし、日本の無塩バターは「牛乳以外の原材料を使用してはいけない」のですが、アメリカの無塩バターは添加物が加えられているものがたくさんあります

Kroger

Pasteurized Cream(殺菌済クリーム)
Lactic acid(乳酸)


Walmart

Pasteurized Cream
Natural Flavorings(天然香料)
 

Land O'Lakes

Sweet Cream(クリーム)
Natural Flavoring(天然香料)


Challenge Daily

Pasteurized Cream 
Natural Flavorings

 

Vital Farms Pasture-Raised Unsalted Butter 

Cream (Milk)(クリーム)



私はバターに加えられた「フレーバー(香料)」がちょっと苦手です。

フレーバーと言っても天然香料なので乳製品から抽出されたものです。私が見た限りでは有塩バターには入っていませんから、パンやお菓子に練り込んだ時のバター風味を強調するために添加しているのだと思います。

こちらの方が美味しいと感じる人もいると思いますが、私はパンを食べるときに添加フレーバーの匂いが気になってしまう。職業病。。。

こちらに来た当初はLand o Lakesのバターを使っていたのですが、業務用油脂で焼いた時のような香りがするのが気になって、よく見てみたらフレーバーと書いてありました。

Krogerのバターには乳酸が入っています。発酵バター風の風味を意識しているのか、重曹の作用を強めるためか。風味が薄く硬めでパンには使いやすいので、コスト重視として利用しています。


発酵バター(無塩)のおすすめは?


こちらもいくつか例をあげてみます。

殺菌済クリームにスターターカルチャー(培養基)を加えて乳酸発酵させてから脂肪分を分離して作ります。この時に微生物の働きで若干の酸味や旨味成分が出来るのでバターの香りや味が濃くなります

この発酵バターの残りの液体が「アメリカのバターミルク」。


日本のカルピスバターも、乳酸菌飲料カルピスを作った時の副産物としてできるので発酵バターの一種です。

発酵バターは製造に手間がかかるので当然価格も高いですが、コクがあって香り高くパンの風味がとても良くなります。


KerryGold

Cultured Pasteurized Cream(発酵殺菌済クリーム)

Organic Valley 

Pasteurized Organic Sweet Cream (Milk)(殺菌済オーガニッククリーム)
Microbial Cultures(微生物培養基)


Vermont Creamery

Cream(クリーム)
Cultures(微生物培養基)


バターの色と硬さの違い


日本のバターも季節によって少し違うことがあるのですが、見た目でそうとわかるほどではありません。一方、アメリカのバターは色と硬さがブランドによってかなり違います。

比較画像はこちらの記事からの無断借用


色は牛のエサが要因と言われます。カロチノイドやビタミンの多い緑の牧草を食べた牛の乳からは黄色いバターが、干草や乾燥穀物を食べた牛の乳からは白っぽいバターができます。ニオイも違うと言う人もいます。

硬さの差は脂肪組成や水分含量が要因と思います。柔らかすぎると生地が緩んだり腰折れの要因になります。


パンやお菓子作りに重要なバターの可塑性(かそせい)


油脂は温度が高いと溶け、低いと固くなります。その中間の粘土のように柔軟に形を変えることができる性質を「可塑性」と言います。

わかりやすい動画を見つけたので一部切り抜きで貼っておきます。オリジナルはここ→


パンに塗って食べるためだけなら風味を優先して選べば良いのですが、パンやお菓子に使う際はこの可塑性が影響することがあります。クロワッサンの生地が固くて伸びない、クッキーやパイ生地がボロボロ割れる、それはバターの可塑性が低い(柔軟性が無い)のが原因かもしれません。


無塩バターの保存方法


基本的に、無塩バターは有塩バターより賞味期限が短いです。塩が入っていないのでカビなどが生えやすいためです。

日本でもアメリカでも定期的にセールで安くなるのでまとめ買いしますが、長期保存は冷凍がオススメです。冷凍庫で密封保管すれば賞味期限に関係なく使えます。



アメリカの有塩バター


アメリカの有塩バターは全体的に日本のものよりやや塩味が強く柔らかめです。

無塩バターと同様、ブランドによって色・風味・塩味にかなり違いがあります。塩味が気になる方は、原材料表示のSodium(ナトリウムのこと)量を比較して少なめのものを選ぶと良いでしょう。

パッケージにTbsp1(≒大さじ1杯)14gあたりのSodium量が記載してあります。



使うバターでパンやお菓子の味がけっこう変わります。
いろいろ試して好みのものを探してみてください。



その他パンの原材料や設備についての解説はこちらから

無塩バター比較表2023年版はこちら

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