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バターミルクとバターミルクパウダーには2種類あるんです

2020年8月30日日曜日

パン作り・材料

THE SACO PANTRY  Cultured Buttermilk Blend
便利なバターミルクパウダーです(成分:発酵バターミルク・乳清ホエイ・乳酸)

アメリカ バターミルクパウダー



『バターミルク』ってパンケーキブームでよく耳にするようになりましたが、ホントのところあんまりよくわかってない人が多いかも。。。


パンケーキにバターミルクを使うと美味しくなるのは何故?
バターミルクは2種類ってどういうこと?

ちょっと詳しく解説していきます。


日本とアメリカのバターミルクの違い


日本のバターミルクは「バターを作った残りの液体」

日本には牛乳類の規格を定めた「乳等省令」と呼ばれる法令があります。乳関連の製品についてはそれぞれの呼称に定義があり、法令で定められた用語以外を使うことは許されません。

乳等省令

バターミルク = バターを製造する際に生じた脂肪粒以外の部分


生クリームをガシャガシャと振って脂肪粒を固めるとバターができます。

「残った液体」が日本のバターミルクです。濃いめの無脂肪乳ってとこ。


アメリカのバターミルクは発酵乳


アメリカは「発酵バター」が主流。
バター製造過程で「発酵」があるので、バターもバターミルクも酸っぱくなります。

バターミルク


アメリカでお菓子やパンケーキに使われるバターミルクは、Cultured buttermilk(培養バターミルク)と呼ばれ、乳酸菌による発酵臭と酸味があります。


元々は発酵バターを作った後に残った液体のことでしたが、今は後から乳酸菌を加えて培養するものが主流だそう(⇒🔗)。

『無糖の無脂肪ヨーグルトドリンク』って感じですかね。


発酵バターミルクを使うとパンケーキが美味しくなるワケ


欧米の発酵バターミルクには発酵で生じる乳酸、酪酸、アミノ酸などが含まれていて、それらが生地の風味を良くします。

酸がオールパーパス粉のグルテンを緩めて食感を柔らかくします。

また、重曹を使うことが多いアメリカでは、酸が重曹の苦みを消してくれます。

バターミルクの代用として牛乳を使う場合にレモン汁や酢を加えるのも、同様の効果を得るためです。


グルテンの多いオールパーパス粉と苦みの残る重曹を使うことが多いアメリカでは、発酵バターミルクを使った方が柔らかくて美味しいパンケーキができる。



バターミルクパウダーも2種類あります


液体のバターミルクを乾燥させたものが「バターミルクパウダー」なので、これも日本と欧米のは風味が違います。

日本のバターミルクパウダーと脱脂粉乳はほぼ同じものです。


よつ葉乳業のバターミルクパウダーの詳細欄にこう↓注意書きがあります。

※2)海外で流通しているバターミルクは、発酵バター製造時に得られる発酵タイプが主流です。“よつ葉北海道バターミルクパウダー(1kg)”は酸味がございませんので、プレーンヨーグルトと併用することで、海外で流通している発酵バターミルクに近い風味をお楽しみいただくことも可能です。



グルテンの少ない薄力粉とベーキングパウダーを使うことが多い日本では、アメリカのように「酸」を加えてパンケーキを作る必要はありません。

乳風味を強調したい場合は「牛乳」や「全粉乳」を使えば良いでしょう。


~ここから追記~



トップ画像で紹介したバターミルクパウダーは「Cultured(発酵タイプ)」ですが、こちら
Bob's Red Millのバターミルクパウダーには「Sweet Cream」の記載があります。

これは、「発酵タイプではないバターミルクパウダー」ということを示しています。日本のバターミルクパウダーと概ね同じものと考えて良いでしょう。

私もアメリカでのパン作りの後半は脱脂粉乳の代わりに使ったり、脱脂粉乳の一部をこれに置き換えたりしていました。脱脂粉乳より乳風味が強くパンが美味しくなるからです。

ただし、こちらの方が美味しい分だけ乳脂肪も若干多いということ。牛乳や生クリーム同様、たくさん使い過ぎると製パン性が悪くなると知っておきましょう。また、脂肪分が多く酸化しやすいので保管状態にも注意が必要です(全粉乳も同じ)。



ちなみに、Bobシリーズの脱脂粉乳はこちら。NONFAT DRYと書かれています。



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