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アメリカでしっとりふわふわの菓子パンを作るには

2020年10月28日水曜日

パン作り・材料



菓子パンがなかなか日本で作るようにふわふわしっとりと焼けないんですよねぇ。。。

オーブンの問題もあると思います。容積が大きくてパンが乾きやすい、温度が安定しない、上火が効かないなど。

アメリカの賃貸アパート暮らしでは設備の問題は如何ともし難いので諦めますが、原料の違いも大きいのかな~と最近思っています。


原因1 小麦粉


日本の製粉技術について以前に書きました→日本のパンが美味しいワケ②製粉技術

日本の小麦粉はふるい分けが細かいので、等級の高い粉は真っ白でキメ細かい。対してアメリカの無漂白小麦粉は色がクリーム色がかっていて肉眼で外皮の粒が見えます。日本の強力粉の灰分が0.35~0.4%くらいなのに対し、アメリカのは0.5%以上(日本の2等粉相当)が標準。

そのため、日本の強力粉で作ったパンより”さっくり歯切れ良い食感”になりやすい、です。これは菓子パン以外にも当然当てはまります。アメリカの小麦粉で”しっとりキメ細かいパン”を焼くのは難しいかも。。。


原因2 砂糖(グラニュー糖)


日本では上白糖が最も安価で一般的ですが、上白糖があるのは日本と韓国くらい。世界中砂糖と言えばグラニュー糖です。

グラニュー糖は、ショ糖99.9%。

上白糖は、ショ糖98%、転化糖(ブドウ糖+果糖)1%、水分1%。

科学的な解説は割愛しますが、パンにはこの「転化糖」が影響します。

●転化糖は焼き色が着きやすい
●果糖はパンの保湿性を高める
●ブドウ糖は発酵が早く進む。

理論的には、グラニュー糖の方が焼き色が着きにくいので焼き時間が長くなるし、保湿力も弱い。砂糖がたくさん入る菓子パン生地では、わずかながら差が出るのかもしれません。

※パンは発酵中にイーストや酵素の働きで小麦デンプンの一部が糖化します。また、ショ糖の一部もブドウ糖・果糖に分解されるので、単純に配合する砂糖の違いがそのまま反映するワケではないです。


水和と焼き色でパサつき改善


小麦粉は代替案が無いので仕方ないとして、その他の改善策としてはこんな↓ところかなぁ~

  1. 菓子パンとしてはやや強めの粉を使う(食感・吸水)
  2. 発酵時間を長くする(糖化・水和)
  3. 脱脂粉乳を増やす(焼き色)
  4. ハチミツを入れる(焼き色・保湿)
  5. テリ卵を濃いめに塗る(焼き色)

日本の菓子パン配合は、強力粉の一部を薄力粉に置き換えて歯切れ良い食感にすることが多いのですが、元々の粉が”サックリ系”なので、それをしないで強めのオールパーパスを使った方がパサつきを感じにくくなります。(オススメはキングアーサー)

中種法や冷蔵発酵で発酵時間を伸ばす事で水和が良くなり焼成後の老化が抑制されます。デンプン分解や有機酸生成も増えて食感や焼き色改善にもなる。

脱脂粉乳やハチミツは味にも影響するのでたくさん入れることは出来ませんが、どちらも焼き色が着きやすくなります。

アメリカの粉に合った配合に調整することでより美味しくなったと思います。


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