日本には世界中のパンがあるし、そのどれも世界で認められる美味しさ。
米食文化の日本のパンが、なぜ世界一美味しいと言われるようになったのか?
私が考える要因は3つ。
ふたつめは『世界一の製粉技術』です。
日本は小麦粉後進国
お米の栽培が難しかった長野や北海道などは昔から小麦粉文化がありますが、日本の小麦粉料理の大半は中国から、パンは欧州から伝わった食べ物。
小麦を主食とする国は、小麦を栽培し、それを製粉し、小麦粉からいろいろな物を作って食べてきた。
一方、
日本は、小麦粉料理が外国から伝わり、それらを作るために初めは小麦粉を輸入し、その後に製粉技術を学び、さらに国産小麦の開発と生産を増やしてきた。
順番が逆なんです。
アメリカやカナダは、タンパク質の強い小麦が育つので、大型の食パンやもちもちベーグルを作る。
ヨーロッパは、準強力粉や中力粉レベルの硬質小麦なので、フランスパンやデニッシュを作る。
中国も、薄力~中力レベルなので、麺や蒸しパン揚げパンを作る。
日本と海外の小麦粉の分類方法が違う理由
日本は気候的に国内でほとんど小麦が栽培できなかったので、海外から伝わったこれらの料理を作るために、小麦をアメリカ・カナダ・オーストラリアから輸入し、各製粉会社が国内で製粉します。
小麦は何段階かに分けて製粉されます。
内側の柔らかいところから粉になり、順にふるい分けされていきます。
最初は、白くてタンパク質の少ない部分が粉になる。次に、その外側のもう少し硬いところが粉になる。続いて、皮に近いタンパク質の多いところが粉になる。最後は、皮が多く混じった茶色く粗いところが粉になる。
日本の製粉は、このふるい分けの精度が高いことが特徴です。
そして、こまか~く分類された粉を用途に合わせてブレンドして作られるのが日本で販売されている小麦粉です。
- 高級食パン用粉(最強力粉)
- パン用粉(強力粉)
- フランスパン用粉(準強力粉)
- 麺用粉(中力粉)
- 菓子用粉(薄力粉)
さらに、それぞれの用途の中にもさらに細かい銘柄があって、まるで「お米」のようですよね~
欧米の小麦粉の製粉方法
一方、欧米ではもっと大雑把。
大げさに言えば、”収穫された小麦を製粉して皮を除く”それだけ。
もともとの小麦が硬質か中間質か軟質かくらいの違いしかないので、例えばアメリカならこうなる。
- 強力粉(ブレッドフラワー)
- 万能粉(オールパーパスフラワー)
- 薄力粉(ケーキフラワー)
欧州は、灰分とタンパク質の量を数値で示したものが多いですね。
「数値を見て自分で好きなの選んでね」って感じ。。。😅
日本の製粉技術は世界一
日本では、輸入した小麦を細かく挽き分け、パン・うどん・パスタ・洋菓子・和菓子それぞれの企業の”こだわり”に応じて、挽き分けた小麦粉をブレンドします。
こんなことをしているのは日本だけ!
日本人のパンへのこだわりは底なしです
どうしても現地のパンをそのまま再現したいというこだわりから、フランスやイタリアから小麦粉を輸入したり、パンには向いていないと言われてきた国内産小麦を改良してとうとう食パンも作れるようにしたり、日本人の食いしん坊ぶりは底なしです。。。(笑)
世界中のどんなパンでも、そのパンに最適な小麦粉で作ることができる。
そんな国、日本以外には無いです。
続きはこちら ☞ 【日本のパンが美味しいワケ ③世界的な製パン技術】
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