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【続】アメリカのチップ制が腑に落ちない理由は”チップじゃない”からだった。

2021年7月14日水曜日

アメリカ社会

🍔今日のアメリカ


先日、初めてひとりで美容室に行ってお金を払いました。そこでまた気になった😕



レストランの会計は食べた料理の料金。
チップはウェイトレスへのサービス料。

まあそう考えれば良いとしても、、、

美容室ってそもそも技術サービスを受けるところじゃない? 
スタイリストの仕事の対価を支払って、さらに20%のチップ???
しかも、こんな田舎で東京と大差無い金額です。。。


アメリカのチップって何なんでしょう???


で、もう少し勉強してみることにしました。


アメリカのチップ制は必要悪


ニューズウィーク日本版にアメリカのチップ制に関する記事があったので、2本引用します。これらを読んで、アメリカのチップ制の複雑な事情が少しわかりました。

そして、『アメリカにはスーパーリッチとスーパープアしかいない』理由もついでにわかりました。


時給は約2ドル、チップは収入源の「すべて」である


2016年1月記事 どんなにサービスが悪くても、チップは15%払うべし
まずアメリカでは、チップというのは実は、サーバー(ウエーターやウエートレス)の収入源の「すべて」だという大前提がある。チップ制で働くサーバーはほとんどの場合、店からは最低賃金しかもらっていない。連邦法はチップ制のある職種の最低賃金を時給2.13ドルと定めていて、通常の最低賃金7.25ドルよりも低く抑えられている。ニューヨーク州での規定では時給7.5ドルだ(昨年末まではなんと時給5ドルだった)。

この最低賃金はほぼ納税で消えてしまい、彼らの収入は全額チップでまかなわれていると言っても過言ではない。つまり客は、レシートのチップ欄に額を書くたびにサーバーの給与そのものをはじき出していることになる。




チップ制度を廃止しようという動きがあるが、、、


2018年5月記事 【チップ制廃止の「失敗」で揺れるアメリカの外食業界
2014年前後からニューヨークやサンフランシスコなどの高級レストランでは、アメリカで長く根付いていた「チップ制」を廃止する動きが始まっていました。その背景には様々な理由があります。ところが、多くの店はこの「チップ制廃止」の結果を失敗と判断して、静かに従来のチップ制に戻りました。そこには2通りの原因がありました。

1つは、従来のチップ分を固定給に上乗せして、例えばNYの高級店などでは時給25ドル(2600円程度)までアップしたのだそうですが、公明正大に固定給にしてしまうと、連邦(国)の所得税源泉徴収がされ、州の所得税源泉徴収に、さらには社会保険料も引かねばならなくなった結果、従業員からは「手取りが減った」という不満が出たのだそうです。



ウィキペディアより

チップ(英: tip、英: gratuity)とは、規定料金とは別に、サービスを受けたことに対して心づけとして相手に渡す現金を指す。


チップは”心付け”、私もそう認識してます。

でも、アメリカ(カナダ)では”心付け”では済まされない。
『マナー』と言われますけど、それも変な話です。 


「給料の一部をお客が直接払う制度」


これなら腑に落ちます。チップという呼び方が正しくないよね。

だってね、ここから他の仕事の人達も分配してもらってるんですから。

まだ、技術料とかサービス料と呼んだ方が、私のように誤解する人も少なくなるでしょう。

他の多くの国ではこれらが元々支払いに含まれていて、アメリカ(カナダ)は別になっている。そう考えたらいいんですね。



美容室のチップの目安


こちらのエチケットガイドによれば、

Tip your hairdresser at least 10%, but preferably 15% or 20%.(少なくとも10%、望ましくは15〜20%)
だそうです。



奴隷は奴隷のままでいろ


チップの意味については理解できましたけど、時給2ドルっていつの時代の話⁉ ってまたビックリ👀


アメリカの格差は国のシステムそのもの。
上位階級のWASP層が、奴隷や後からやってきた移民から搾取して富を増やすために作ったルールが、今もなお既得権を守りたい人たちによって都合良く守られている。

社会の根っこにこういう考え方や制度が深く根付いていることが『Systemic Racism(制度化された人種差別)』なんでしょうね。
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