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私は「食品化学」を勉強する大学に行ったので、食品の種類は違えど似たり寄ったりな業種や職種に勤めている同級生がたくさんいます。最近、製粉会社に勤める同級生(おっさん 笑)がオーストラリアに赴任になり、厚かましくも「落ち着いたら製パン原材料事情をレポートして~!」とお願いしてました。
ロシアでもアメリカでも日本との小麦粉の違いを理解するのに苦労しました😫 海外で美味しい日本のパンを作るためには現地の原材料の特徴を知ること、特に小麦粉は一番重要です。スペシャリストからのレポートは絶対現地日本人みんなの役に立つハズ!
早速レポートが届きましたよ!
◆スーパーで良く売られている小麦粉はPlain flour という麺用粉より若干蛋白が高い粉と、Self rising flour という膨張剤入り粉の2種類。
◆スーパーではあまりイーストは見かけず、ベーキングパウダーや重曹の方が目につくので、ホームベーキングは菓子類の方が主なのかもしれません。
◆Plain flour はクッキーに向いている粉です。
◆オーストラリアでも硬質小麦は取れるのですが、硬くて脆い小麦粉になるので製パン適性は良くありません。日本に輸入されたものは中華麺用として使われています。現地では、こうした粉にグルテンを添加してパンを作っています。
◆こちらで売られているパンは、パサパサの不味い食パン、意外と美味しいサワードウブレッド、パンデカサ、ターキッシュブレッド等のハード系の製品の他に、クロワッサン、デニッシュ、ドーナツ、パイ、クッキー、スコーン等
オーストラリアの小麦粉は日本のパンに適さない
レポートを読んで最初に思ったこと。「オーストラリア赴任になったら泣くわ〜😂」現住の皆様ごめんなさい。
海外のパン焼きさんたちのコミュニティで、オーストラリア在住の方々がパン焼きに苦労されている様子は知っていました。まあ何となくわかってはいたものの、改めて聞いてみて「アメリカなんか問題じゃないな」とわかりました😅
このブログの【アメリカの小麦粉】カテゴリーの記事の中で何回か書いていますが、日本はアメリカ、カナダ、オーストラリアから小麦を買い付けています。
アメリカ産小麦からは、強力粉・準強力粉・薄力粉
カナダ産小麦からは、最強力粉・強力粉
オーストラリア産小麦からは、麵用粉
ざっくりとこんな感じです。
日本がお米を外国から買わないように、小麦生産国では基本的に自国の小麦から小麦粉を生産します。オーストラリア産小麦を日本は主に「麺用粉」として使っているのですから、パン用粉が入手しづらいのは当然と言えば当然か。
しかし、ラーメン用の小麦粉が「Bread flour」で、それにグルテンを足してパンを作ってるっていうのは想定外でした。
日本・アメリカ・オーストラリアの小麦粉比較表
オーストラリアの方が書いたとても参考になるページがありました。
これと友人からのレポートを元に、日本の小麦粉の分類とアメリカ・オーストラリアの小麦粉の比較表を作ってみました。いや~、難しいね💦
日本の分類と主な用途 | アメリカ | オーストラリア |
最強力粉 - 食パン | High gluten flour | Speciality high protein flour |
強力粉 - パン全般 | Bread flour | Strong flour / High-protein flour |
準強力粉 - 菓子パン - フランスパン - 中華麺 | All purpose flour | Bread flour |
中力粉 - うどん - 焼菓子 | All purpose flour / Pastry flour | Plain flour |
薄力粉 - ケーキ - 料理 | Cake flour(bleached) / Pastry flour | Cake flour(bleached) |
ミックス粉(膨張剤、塩入) | Self-rising flour | Self-rising flour |
準強力粉から中力粉レベルの小麦粉がオーストラリアの主力。パン焼き用としてはアメリカより厳しいかな。
「硬質小麦は固くて脆い小麦粉(Bread flour)になる」ということなので、サワー種でグルテンを軟化させるサワードウブレッドや、サクサク感が長所になるクロワッサンやデニッシュは美味しいんでしょう。
日本の食パンのようなパンを作るためには、良い粉を特別に入手するか、グルテンや改良剤(dough improver)などで改質するか、、、
(しっとりさせるためにゼラチンを添加してパンを作っているという方のレポートを読んだことがあります)
薄力粉も日本レベルのものは難しそうですね、、、
現地の方のブログなども読んでみたところ、「Bleached(漂白)Cake flour」のような菓子専用のものが一応はあるようです。アメリカと同じく日本の薄力粉の代替というわけにはいかないでしょうね。
だいぶ事情が分かりました!→ つづき
その他小麦粉関連の投稿は【カテゴリー:アメリカの小麦粉】から!
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