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駐在妻にも今から考えて欲しいこと

2023年3月26日日曜日

駐在妻 日本のこと




先日の日経新聞の記事です。この記事にコメンテーターのロッシェルカップさんがこんなコメントをしています。

この記事の見出し「増える非正規、日本が突出 賃金上昇の重荷に」というのを読んだとき、私の最初の反応は「今更それに気づいたの?もう何年も前からその問題は明らかだったよ」というものでした。記事の中で、非正規雇用者の待遇を改善すると言う経団連の提案について書かれていますが、それだけでは不十分です。現在の日本の労働法は、労働市場の歪みを生み出しているため、根本的に改革する必要があります。正社員と非正規雇用の間に、その中間的な雇用形態が必要だと私は考えます。現状のままでは、問題は解決されないと思います。

同意。駐在妻の多くが帰国後に直面する問題でもあります。

搾取される非正規雇用が増えたワケ


本来の非正規雇用は、隙間時間を利用して週の何日か或いは一日の数時間だけアルバイトパートをして小遣いを稼ぐ人や、期間雇用のような人のことを指していたハズです。

それが、企業の人件費圧縮で「派遣社員」が増え始めたのはバブル崩壊後。私が入社した時、会社には派遣さんなんていませんでした。

就職氷河期で新卒採用を控えた分を派遣社員で埋めていったのでしょう。入社後十数年を経て東京から本社に戻って来たら、新しい所属先は派遣社員が正社員より多くて驚いた。

当時はまだ派遣3年の縛りが無かったので、毎日社員と全く同じようにどころか遅くまで残業までして何年も働いていて、みんな優秀でした。当時は結婚を機に退職すると、女性は再就職が難しい時代でした。派遣の仕組みはこうした時代に企業が都合よく利用してたんですよね。


正社員の私の仕事は、彼女たちに仕事を振り分けて管理監督する事。彼女たちが正社員なら私はマネジメントの役職であって然るべきでしたが、相手が派遣社員なので私の処遇も従来のまま。

私自身はそこで2年働いて成果も出したし派遣残業もゼロに改善しましたが、大卒女性の昇進に全く関心の無い田舎会社に愛想を尽かして転職しました。


派遣労働にはメリットも多い


一度めの駐在帯同の後、私自身も派遣社員を経験しています。

帰国後の住まいが都心から遠く、自分の希望する職種に就くには満員電車通勤が前提。フルタイムでは職場の近い夫より帰宅が遅くなってしまうのもイヤで、時短扶養内でボチボチ働くという選択をしました。専門職なので派遣契約でしたが、実際には「パートのおばさん」です。

本来の非正規雇用、アルバイトやパートには、時間や業務内容を自身で選択できるというメリットがあります。これは働き手にとっても都合の良いことなので、両者win-win です。

その後、大手企業の研究室でパンの商品開発をするという願ってもない仕事を紹介され、これまた私の希望日時だけ出勤するという条件で派遣先を振り替えて貰いました。

非正規から正規になれると信じる若者


この頃、派遣3年の縛りが法制化され、「契約社員」という最悪な非正規社員が増え始めました。さらに既婚女性がほとんどだった派遣や契約社員に、男性しかも若者が年々増えてきた。

当時の職場にも20〜30代の男性派遣社員が2名いました、、、

新卒で就職した会社が自分に合わず、辞めて派遣登録してしまったんですよね。昔なら再就職に向けて必死に職探しするところですが、仕組みをよく理解しないまま、安易に仕事を与えてくれる派遣会社に登録してしまう。

ここが問題!派遣会社が彼らの未来を踏みにじっていると言いたい。

2名のうちの一人は家庭の事情で致し方なく派遣就業していましたが、もう一人はいずれその会社に正式採用されることに希望を抱いていました。私と違って毎日社員と同じように出勤していましたし年齢も社員の多くと同じくらい、端から見たら正社員と見分けがつきません。でも彼らの手取りは、専門職で時給の高いパートの私と変わりません、、、

そのうちに「契約社員」になったと喜んで報告されましたが、良かったねとはとても言ってあげられず苦笑いでお茶を濁してしまいました。

契約社員5年の後は正社員採用だと希望を持って喜んでいたのです。でも会社はそんな義理立てをする気などさらさら無い。万が一正規雇用されたとして、一体何年間薄給で奉仕して、いくらの初任給で正社員になるのでしょう。ホントひどい話です。これを労働搾取と言わずなんと言う!

言っておきますが、私は彼が契約社員への切り替えを迎える前に派遣会社の担当者に「彼の将来のために、優秀な派遣実績を職歴として他の企業への再就職を勧めてあげてほしい」と言いましたよ。本人にも言った。お節介なオバサンですよ、まったく。

契約社員は非正規雇用の闇


派遣社員から契約社員への切り替えには労働者に何のメリットもありません。

派遣の時は、待遇や職務について派遣会社に相談でき、間に入って交渉して貰うことができます。雇い止めにあっても、次を派遣会社が探してくれる。今は派遣でも社会保険にも健康保険にも入れます。

派遣から直接雇用の契約社員への切替時、給与はだいたいスライドです。働く条件はほとんど何も変わりません。間に入っていた派遣会社が抜けるだけ。その上、このタイミングでほとんどフルタイムを強制されることになります。さらに直接雇用なので時給や条件交渉も自分でしなければなりません。私が見てきた限り、得することなど何にもない! あえて奴隷労働と言うわ。

私は自分で派遣を経験してその闇を見てしまったので、3年の派遣期限の半年ほど前から「会社がこのまま雇用継続を希望するなら、契約社員ではなく正社員として中途採用してもらえるよう言ってください」と派遣会社にお願いしました(50歳でしたけど😅)。会社にも「フルタイムになるならペーペーで働く気は無いので、いずれマネジメントも可能な雇用を希望します」と面と向かって言いました。派遣社員が正式に採用になれば派遣会社には”人材紹介料”が入るので、見込みがあれば動いてくれます。

なんて図々しいオバハンと思われるでしょうが、誰かがブレイクスルーしなければみんな奴隷になっちまう!そんな気持ちの方が大きかったです。

おばさんの乱、未遂に終わる


ところがどっこい、、、

4月から正社員となるべく事が動き出したそのタイミングで、夫にアメリカ駐在の辞令が出た。。。ち~ん😑

積極的に動いてくださった当時の上司に平謝り🙇し、敢えなく白紙撤回となりました。残念無念。


冒頭のコメンテーターロッシェルさんが言っている「正社員と非正規雇用の間に、その中間的な雇用形態が必要」と言うのは、正社員採用を希望する、もしくは全く同じ条件の仕事をしている人たちが、その労働に見合う労働契約で雇用されるべき、という意味だと理解します。

今は「限定正社員」とか「無期契約社員」とか正社員と非正規の中間的な位置付けの雇用形態もあるようですが、基本的には奴隷契約だと思います。海外の流動的な労働市場のような柔軟性のあるところはまだ少ないでしょうね。

フルタイムで働くけど家庭の事情で転勤は出来ないとか、管理職は希望しないとか、持病があって平日に病院に通わなければならないからフレックスで就業したいとか、そういう人たちも奴隷労働ではない正当な条件で最低限生活の保証が得られる社会に日本は変わらないと! 本気で女性の労働力を活用したいなら本気で改革しないと、と私ももうずーっと前から思ってるけど、、、立派な大学を卒業した優秀なオジサンたちばかりの日本のお役所の人たちにはわからんのでしょうな。

読んでいただきありがとうございました。最後にブログトップの応援ボタンを押してくださると嬉しいです。お互い良い一日になりますように(^^♪
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