🍞今日のパン
シリーズまとめ読みはこちらから【カンパーニュ/サワードウブレッド】
フランスからベーカリー技術が伝わった日本。「天然酵母種(ルヴァン)から作る大型のパン」は、一般的にフランス語の「カンパーニュ(オ・ルヴァン)」と呼ばれます。
アメリカではコロナ禍でイーストが店頭から無くなり、天然酵母種のパン作りがブームになりました。アメリカでは天然酵母種をサワー種と呼ぶので、パンは「サワードウブレッド」と呼ばれます。
基本的に同じもの。
気泡ぼこぼこ&オーバル型のカンパーニュ(サワードウブレッド)
最近、「穴ぼこだらけのカンパーニュを焼くコツ」的な動画やブログが巷に溢れています😅
内相に大きな気泡がいっぱい入った”穴だらけのパン”を焼けることが、世界中のホームベーカーさんたちの憧れになってる!!
そして、丸い籐かごで成形するのが日本では一般的でしたけど、「穴ぼこサワードウ」ブームで、今はアメリカンスタイルのオーバル型(楕円形)が主流になりつつある。
先日ここで参考にさせていただいた日本人の『うまいラボ』さんも、「ハマる動画」のアメリカ人『Full Proof Baking』さんもマレーシア人『Autumn Kitchen』さんも、みんなみ~んなオーバル成形に一本クープで”外メリメリ、中ボコボコ”のパンを追求しています。
みなさんだいたい似たような作り方なので、どこかにルーツがあるんでしょうね。
丸型よりオーバル型が人気のワケ
こちら、日本のCottaさんで取り扱っている「発酵かご」いろいろ。
発酵かご(バヌトン)には、こんな風に勾配の角度の違うものもいろいろあります。
”外メリメリ、中ボコボコ”に焼き上げるためには、生地中のガスや水蒸気が底から上に向かってしっかり生地を押し上げる必要があります。
この「生地の力」に発酵かごの形が関係してきます。
底から上に向かって大きく広がった型は、生地にストレスがかかりにくいので、生地はリラックスしてゆったり発酵します。
一方、細長く上に立ち上がった型は、生地が上に膨らむことしかできず、ストレス(圧力)がかかります。
生地にかかるストレスは、グルテンを強化して生地中にガスを貯めるのに役立ちます。
発酵終了後の生地中のストレスの大きさは、オーブンに入れた後の窯伸びやクープを開かせる力につながってきます。
細長い型の方が窯伸びする
ちょっとカンパーニュから話がそれます。
その昔、パン粉用の食パンの開発をやったことがあるんですけどね、
パン粉は”細長く尖ったもの”が多い方が良質とされるそうです。揚げた時にサクサク軽い食感になるから。
そのため、パン粉用の食パンは細い型を使って背を高く焼き上げます。
狭いところに生地を押し込めてストレスをかけて発酵させると、オーブンに入れた時に一気に上に勢い良く伸びる。
カンパーニュは食パンのように型で焼くわけではありませんけど、ある程度理屈は同じハズです。
「底になる面が狭くパンの力が横に逃げない型」で発酵させたり、「底の小さい鍋で焼く」方が、窯伸びやクープの開きが良くなる。
キングアーサーのベーキング技術解説ページにも「丸型よりオーバル型の方が大きな穴ができやすい」と書かれてました。
※生地と発酵の見極めや成形が正しくできていることが前提ですよ。
0 件のコメント:
コメントを投稿