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バターの品質低下の裏に隠されたホントの事情

2023年2月3日金曜日

アメリカ社会 パン作り・材料

🍔今日のアメリカ 

昨日の『バターこっそりステルス値上げ』の投稿に、国内外からたくさん反響をいただきました。まずは「知る」ことが大事と考えていますので、たくさんの方に現状を知っていただくキッカケになったなら良かったと思います。

ただいろいろ引っかかることがあるんです。


ステルス値上げは苦肉の策


私自身、パンの製造メーカー、原材料メーカー、リテイルの開発、といろいろな立場で仕事をしていたので、メーカーの事情やメーカーとリテイルの関係など”大人の事情”をよーく知っています。

牛乳は工業製品ではありません。牛さんから私たちが乳を分けていただいているんです。需給のバランスが崩れたからと言って急に増やせるわけではありません。

でも店頭に無くなればみんなが怒る。値上げにも怒る。小売り業者はどんどん作れと言ってくる。農家の苦境や乳業メーカーの焦りは痛いほどわかります😭 私自身も痛い目にあったことが何度もありますから。。。

現状打開策として考えられたのが、餌にパーム油サプリメントを加えることだったり、製品の品質を落として価格と数量を維持することだったりするわけです。

やってるメーカー側も決して良いことだとは思ってないでしょう。”こっそり”やってるくらいですから。今の時代、全てを開示した結果騒ぎを起こすことになるか、こっそりやって見つかって騒ぎになるか、ある意味「賭け」かもしれません、、、

日本では前者が正解でしょう。これからもそうあって欲しいですね。


バター不足の解決にはマーガリンしかないんじゃないの?


アメリカはトランス脂肪酸の問題以降マーガリンを毛嫌いし続けていることがバター不足の遠因になっていると私は思います。

そもそもバターの代替品として普及したマーガリン。牛から無理に乳を搾取しなくても、植物油から作れるマーガリンをもっと活用すべきです。




マーガリンやショートニングのトランス脂肪酸は、本当に危険なのでしょうか。答えはNOです。これらの加工油脂を製造している会社は、加工技術に改良を加えることによって、今では以前よりもトランス脂肪酸含量がはるかに少ない製品を世に送り出しているからです。


デニッシュペストリーに使用される折り込み油脂やパン生地用練り込み油脂として、またバタークリームなどに使用されるマーガリン・ショートニングに求められる主な機能には、微細な結晶構造で滑らかな性状、可塑性を有することがあります。エステル交換技術によりトランス脂肪酸の低減化を図り、得られた融点の異なる油脂を組み合わせて使用することで、従来のマーガリン・ショートニングが有していた広い温度域での良好なスプレッド性やクリーミング性を、また折り込み用シートマーガリンでの伸展性を付与できるようになり、その結果、以前はこれらの油脂原料中のトランス脂肪酸量は20%を超えていたものが見られましたが、現在は1~5%程度まで低減が図られています。

乳原料を国内で十分に確保できない日本では、マーガリンを制限するのではなく、技術改良したりバターやクリームと混合して美味しさや使いやすさを追求しながら現在に至っています。

山崎製パンの説明にあるように、液体油脂から加工して作られるマーガリンはある意味固さや風味の調整が自由自在!昔から製パン原材料には「コンパウンドマーガリン」と言ってバターとマーガリンの良いとこ取りした製品が使われています。

日本では消費者向け製品の種類も増えたので、バターが品薄になった時はマーガリン主体に切り替えることができます。


アメリカのマーガリン嫌いには裏がある


アメリカは先日の”No MSG”然り、いまだにトランス脂肪酸ゼロにこだわるあまり、マーガリンが美味しくない。


アメリカやカナダのバター問題、実は自業自得なんじゃないでしょうかね?

過去、アメリカやカナダは「酪農農家の保護」を名目にトランス脂肪酸をやり玉に挙げてマーガリン業界を潰したんだと思います。アメリカの業界団体がやりそうなことじゃないですか?


ちょっとググってみたら、、、やっぱりあった。まあそんなところでしょうねぇ~。


背景にあるのは、アメリカ食品医薬品局(FDA)と業界団体、および市民団体との力関係です。バターに関係しているのは、全米酪農協会という強力な業界団体。

という裏事情がある限り、アメリカのバターの品質はこれからも悪くなっていくでしょうね。。。


改めて、品質を確認してみた→『お気に入りの無塩バターの可塑性を比べてみた


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