🍔今日のアメリカ
『Kerrygold』については、2022年10月にこの「脱脂乳」表示に気づいたユーザーとメーカーとのやり取りを見つけました。
読んでいただきありがとうございました。最後にブログトップの応援ボタンを押してくださると嬉しいです。お互い良い一日になりますように(^^♪
先日【メロンパンの皮が割れる原因はコレかも!】という記事を書きました。
今まできれいにできていたメロンパンの皮がバキバキ割れてしまい、その原因が「安いバターのせいだった」という話。
その後ふと思い出した。
コロナ禍の人手不足と戦争によるエネルギー価格高騰から世界中で物価が上がり、「シュリンクフレーション」でアイスクリームが美味しくなくなった。(私はこれ以降全くハーゲンダッツを食べてません)
バターが固くなったのはパーム油のせいかも
同じく乳製品であるバター。気づかなかったけれど、ただでさえ安いスーパーのプライベートブランドバターの品質がさらに落ちていたとしても不思議じゃない。
カナダのライターが、カナダのバターが固くなったことに気づいたのをキッカケにその原因を深堀りした記事がありました。(初稿は2021年2月)
バターゲート:バターが以前ほど柔らかくない?パンデミックとホームベーキングブームが一因。パーム油も。
乳牛の餌にパーム油を加えると生乳の脂肪率を高めることができる。餌に加えたパーム油の性質は生乳の脂肪組成にも反映するため、バターやチーズの食感が固くなる。
といったようなことが書かれています。
なるほどパーム油ね。納得。
私がメロンパンに使った安いバターが殊更固かったのは、このパーム油の影響もあったかもしれません。
パンデミックを機にパンやお菓子を自分で作る人が増え、さらにインフレで加工食品の価格が上がってますます家庭で作る人が増えた。バターの家庭需要が数年前に比べて大きく増えたことは容易に想像できます。(業務用と家庭用は容易に互換できない)
手っ取り早く生産量を増やすため、牛さんにたくさん油を食べさせて脂肪分たっぷりのお乳を出してもらおう、ということ。
2020年10月に書いたこちらの記事【アメリカの美味しいバターの選び方】で、いくつかの無塩バターの原材料を例示しました。
2年3か月後の現在、改めて調べてみたら、、、💦
無塩バターの比較
Unsalted Butter
ブランド | 2020年 原材料 | 2023年 原材料 | 2023年 脂質(バター14gあたり) |
Kroger PB | Pasteurized Cream, Lactic acid | Pasteurized Cream, Natural Flavorings | 11g |
Walmart PB | Pasteurized Cream, Natural Flavorings | Pasteurized Cream, Natural Flavors | 11g |
Land O Lakes | Sweet Cream, Natural Flavoring | Sweet Cream, Natural Flavoring | 11g |
Challenge Butter | Pasteurized Cream, Natural Flavorings | Pasteurized Cream, Natural Flavorings | 11g |
Vital Farms | Cream | Pasteurized Cream, | 12g |
Tillamook | 調べてない | Cream, Natural Flavor | 12g |
Plugra | 調べてない | Cream, Natural Flavors | 11g |
Trader Joe’s PB | 調べてない | Pasteurized Cream, Natural Flavors | 11g |
Whole Foods PB(365) | 調べてない | Pasteurized Cream, Natural Flavors | 11g |
※ 脂質12g表示のものがいわゆる「ヨーロピアンタイプ(82%以上)」で、脂質11gのものがアメリカの規格標準(80%以上)です。
無塩バターについては、上記ブランドの中では『Vital Farms』以外、すべてが添加物を加えています。Natural Flavorというのは概ね乳酸(Lactic acid)のことらしく、主に保存性向上と風味改良を目的としているそうです。複数形のFlavorsと記載されているのは、乳酸以外の風味添加もしているということでしょう。
2020年
2023年
Vital Farmsも2020年のパッケージには「GRASS FED」と書かれていますが、現在のものには書かれていませんね。ノンフレーバーで日本人には違和感がなく使いやすいと思います。(脂肪分85%なのでやや脂っこく感じます)
発酵無塩バターの比較
Cultured / Unsalted Butter
ブランド | 2020年 原材料 | 2023年 原材料 | 2023年 脂質(バター14gあたり) |
Kerrygold | Cultured Pasteurized Cream | Pasteurized Cream, Skimmed milk, Cultures | 12g |
Organic Valley | Pasteurized Organic Sweet Cream, Microbial Cultures | Pasteurized Organic Sweet Cream, Lactic Acid | 11g |
Vermont creamery | Cream, Cultures | Cream, Cultures | 12g |
こっちは衝撃的なグレードダウンになってました。。。
在米ホームベイカーに人気の『Kerrygold』とオーガニックバターの『Organic Valley』は、2020年に調べた時はどちらも”発酵バター”でした。
が!!!
無塩バターになってました😱
2020年
2023年
『Organic Valley』はパッケージを変更してNewのマークを付けてUnsalted butterと変えてるところが良心的。
Heads up in case anyone using @KerrygoldUSA unsalted butter didn't notice they changed the ingredients to add skim milk powder. Too bad. pic.twitter.com/agJgyAIy9u
— L. Amber O'Hearn (@KetoCarnivore) October 26, 2022
メーカーの回答によれば、「風味原料として、脱脂乳を酵素で発酵したものを添加している。バターの一部を脱脂乳で置き換えてはいない。従来通りの脂肪分を含んでいる。」ということ。
まあでもこれは発酵"風味"バターであって、もはや発酵バターでは無い。
コストダウンのための仕様変更であるのは間違いないでしょう。。。
自分はいつもと同じ原材料を使っているつもりでも、実は知らないうちに品質がこっそり劣化していた、、、それはひどいよね~😡💢
英語な上に文字が小さくて原材料や重量の表示をいちいち確認するのは面倒ですけど、目を凝らしていないと"ステルス"の餌食になります。
ステルス値上げの裏事情に続きます→『バターの品質低下の裏に隠されたホントの事情』
0 件のコメント:
コメントを投稿