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パンが大好き過ぎる人たち② パンとベーカーを愛する”愛パン家”

2022年2月13日日曜日

パン作り・材料 雑談

🍞今日のパン

その昔、『パンの会』に入っていて(①に書いた”パン好きさんが集まる会”とは別)、定期的に渋谷で開催されるパンの食べ比べイベントをものすごーく楽しみにしていました。

その『パンの会』を主宰されていたのが、渡邊政子さん


日本の大手製パンは、戦後の「学校給食パン」を作ることからスタートしたところが多く、昔ながらの”プロダクトアウト”の発想でパンを作ってました。”流行り物を真似して作る”商品開発が当たり前で、マーケティングの発想など微塵も無かった。。。

ベーカリーの商品開発を担当するようになって、「もっとパンと消費者のことを勉強しなくては💦」と考え、先述の”パン好きさんが集まる会”や『パンの会』に参加するようになりました。

まさに「愛パン家」の渡邉 政子さん



高校卒業後、留学先のオーストラリアで焼きたてのパンを食べそのおいしさに感動! パン好きを集めたパンの会を1992年に発足。全国で約6000人の会員に向けに年4回「パンの新聞」を製作、発行。パンを食べるイベントやパン職人さんと作るパン教室などを企画。パン食に関する雑誌、TV番組の取材、ライター、コーディネーションを担当。パンの会は惜しまれつつも05年に解散。その後はのんびり楽しみながらパンを食べ続けている。好きなパンは食べ飽きない、美味し過ぎない、シンプルなバゲット。


秋山洋子さんの美味しそうなパンのイラストが描かれた会報もとっても素敵でした。秋山さんのカレンダーも毎年大人気でしたね。

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かつての「パンの会」のイベントはそんなふうに進行したのだそうです。

渡邉さんがバゲットでも食パンでもライ麦パンでもクロワッサンでも1センチにスライスするというのは、定点観測ということだと思います。いつも同じスタイルで食べることで違いがよくわかり、自分の好みを知っていく上でいい方法となるようです。


当時、日本に本格的なベーカリーブームが到来し、「プロベーカーが作る本物のパン」と「パンが大好きな消費者」の間をつなぐ役割を果たしていたのが渡邊さんでした。

多分、渡邊さんご自身はそんな大げさには考えておられず、大好きな世田谷桜新町の「ブロートハイム」オーナーの明石氏やその他の本当に美味しいパンを作っているベーカーさんたちを応援したい気持ちから始められた活動が、ブームに乗ってどんどん大きくなっていったんじゃないかな。


パンマニアが渋谷に集うパンの会のイベント


『パンの会』のイベントにパンを食べに来る人たちは、みなさん筋金入りの「パンマニア」。そういう方々の中でいろんな意見を聞きながらパンを食べ比べる機会は、ものすごく貴重で勉強になりました。あちこちの有名ベーカリーのパンを、焼き立ての状態で一度に食べ比べることなんて一人では決してできませんから!

渡邊さんは、パンとそれを作るベーカーさんが大好きで、「美味しさや特徴の違いを最良の状態で正しく知って欲しい」と思われていた、と思います。そういう偏りの無いところや”批評家”にならない姿勢は尊敬できました。


でも、ある時突然『パンの会』は終わっちゃった。

これは私の勝手な想像ですけど、、、ベーカリーブームがどんどん大きくなって、渡邊さんに求められる役割がただの”愛パン家”でなくなっていったことが原因なんじゃなかろうか、と。。。渡邊さんはご自分の大好きなパンとベーカーさんを応援したいだけで、それ以外もそれ以上も考えてはいなかったように思うんですよね。


とにかく、ス~っと表舞台から消えてしまわれました(ように感じました)。


渡邊さんの穴を埋めるように出番が多くなったのが、上記「パンの会」の記事を書かれた「ブレッドジャーナリスト 清水美穂子さん」ですね。

最近は「パンおたく(パンラボ主宰)の池田浩明さん」とか「旅するパンマニア 片山智香子さん」とかあたりが有名どころなんでしょうか?

第一次ベーカリーブームで本格的な欧風パンが普及し、その後は志賀氏、堀田氏、杉窪氏など独自の製パン理論やオリジナリティを追求するベーカーが次々誕生し、食パンブームも加わって長く第二次ベーカリーブームが続いてます。

これらブームの礎を築いたのは、間違いなく「渡邊政子さん」です。



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