🍞今日のパン
食パン一斤1,000円から始まって小麦粉の話に続き、今日もその続きと言えば続き。
私が、自分の経験や知識が海外赴任している人たちの役に立つと知ったのは、ロシアでブログを書き始めてから。ロシアでは今ほど熱心にはパンを焼いてませんでしたけど(スーパーのパンも美味しかったから)、やっぱりパン用の良い強力粉にたどりつくまでには失敗がありました。それを整理してブログに書いたところ、何人かの方から(ロシア人からも!)「役に立った」と言ってもらえました(→ロシアの小麦粉)。
ロシアで焼いた手ごねの食パン
アメリカにやってきたら、スーパーのパンは美味しくないしベーカリーも無い。自分で焼こうにも原材料探しはロシア以上の大変さ!(当時のロシアにはヨーロッパの食品がたくさんありましたし、ウクライナから質の良い小麦粉も入ってきていた)
私が渡米当初からこのブログで”パンのウンチク”を書いているのは、パンが思うように焼けない原因が何か、どうすればそれを改善できるのか、アメリカで迷子になっている皆さんの助けになれば、という思いから。
私も勉強になりました
皆さんのためと言いながら、実は私自身もアメリカでいろいろ試行錯誤することでとても勉強になっています。
何十年も多方面からパンに関わる仕事をし、専門的な知識は業界で重宝される程度持っていると自負してます。それが、アメリカに来てもう一段階知識が深まりました。
ウンチクのところで何度も書いていますけど、日本の小麦粉はメーカー各社の”痒い所に手が届く”日本式サービスのおかげで、目的に合わせて丁寧にブレンドされて非常に安定しています。製パン企業やベーカリーは自分たちでそれほど研究しなくても、メーカーに相談すれば事足りる。メーカーを変えても、だいたい同じように使えるように調整されてます。
フジパンは日清製粉でパスコは日本製粉、とか大手企業はメインで取引している製粉メーカーがあるので、商品開発をしていても他のメーカーの小麦粉を使う機会ってあまり無いんです。
ベーカリーでもそうです。ひとつのベーカリーでそんなにたくさんの種類の小麦粉を使わない(コスト面や管理が大変だから)。だから、お店の小麦粉に合わせてレシピを作ってます。
私もいろいろなところでパンの商品開発や研究をしましたけど、原材料一つ一つにこだわってパンを作った経験はそんなにありません。だから、アメリカで本格的にホームベーキングをやり始めてから気づいたことが本当にたくさんあります。小麦粉、イースト、砂糖、バター、ほんの少し違うだけでパンがこんなにも変わるのかと毎日のように気づかされます。
お店のように焼けない理由
もうひとつ、プロベーカリーとホームベーキングには大きな違いがあります。
時々ホームベーカーさんたちがお店のようなパンが作れないことを嘆くのを目にしますが、「そんなの無理です💦」と言ってあげたくなります。
原材料や環境の些細な違いが毎日のパン作りに大きく影響しないように(売り物ですから)、『改良剤』と呼ばれる魔法の原材料を使います。驚くほどパンが変わります。ほんと魔法のよう!
※アメリカではキングアーサーフラワーなどで「Bread Improver」「Dough Enhancer」といった名称で売っているので個人で購入できます。
本当に勉強熱心なベーカリーシェフたちは、こういうものを使わない技術と知識を習得し、自分の理想のパンのために原材料の研究や比較も欠かさない。
アメリカで四苦八苦しながらパン作りを続けていたら、そんなことにも気づきました。
アメリカも日本も変化してます
先日、日清製粉の人からアメリカで頑張っている話を聞きました。
私も知らなかったのですが、日清製粉さんはアメリカの製粉メーカーを子会社化してそこでアメリカの製粉事業にも関わり始めているのだそう。
あと何年かしたらアメリカでも日本のような高品質で安定した小麦粉が買えるようになるのかもしれません。
日本でも、国産小麦を始め専門店に並ぶ小麦粉の種類がお米並みに増え、一般的なブレンド粉だけでなく、いろいろな特徴を持った小麦粉でパンやお菓子を焼く楽しみが増えました。
私も日本に帰ったら、今度は国産小麦にこだわってパン作りをしてみたいと今から楽しみにしています。その時に、今のアメリカでの経験がきっと役に立つことでしょう。
その前に、アメリカで迷子になっている皆さんをもう少し具体的にサポートしようかな~とも最近はちょっと考えてるんですけどね、、、
読んでいただきありがとうございました。最後にブログトップの応援ボタンを押してくださると嬉しいです。お互い良い一日になりますように(^^♪
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