🍞今日のパン
昨日の投稿に「”パン屋が知らないパン作り”も勉強できました。」と書きました。今日の話はそのひとつ。
派遣社員時代に、パン屋さんが絶対に使わない原材料を使ってパンを作るという超難題に取り組んだことがあります(最終的に巨大スーパーブランドの商品になって販売された←自慢😤)。「小麦粉にイーストと水を入れたら膨らむ」というパンの常識が全く通じないので、生涯こんなにパンについて勉強したことないというくらい勉強しましたよ~!
その時に勉強したひとつが『増粘剤』
以前に、ライ麦に含まれる「増粘多糖類」の話のついでに、パン作りに増粘剤を使う効果についても少し触れました。
アメリカでは近所のスーパーに増粘剤が売ってる
アメリカに来てすぐ、スーパーの製菓製パン材料のコーナーに日本では一般的にあんまり見ない特殊な材料がいろいろあるのに気づいてびっくりしました。「こんなものが近所のスーパーに売っとんか!!」ってね。
例えば、これ。キサンタンガムとグアーガム
日本でもオンラインなどで買えないことは無いでしょうけど、一般的には業務用としてしか手に入らない特殊原材料です。少なくともスーパーでは買えない😆
いわゆる”グルテンフリー”のパンを作る際に必須なので、小麦が主食の国では需要が大きくて、アメリカ以外でも手軽に手に入るのかもしれません。
キサンタンガム+グアーガム⇒グルテンの代わりになる
この二つの増粘剤を一定の割合で組み合わせて、米粉やその他のグルテンフリーの粉に添加すると、グルテンに近い役割を果たしてパンのように膨らませることができます。
キサンタンガムは木質で固さが出るので「グルテニン」の、グアーガムは柔らかさとしっとりさが出るので「グリアジン」の役割を代替する、試作に試作を重ねた結果そんな風に感じました。
グルテンフリーじゃなくてもグアーガムは効果あり
以前の記事にも書いた通り、日本の小麦粉にも最強力粉にあらかじめ増粘剤が添加されたものがあります。グアーガムはグルテンの滑りを良くし保湿力を上げるので、パン生地に柔らかさとしっとりさを加えることができます。
もっと詳しく知りたい方はこちらで
グルテンは多ければ多いほどパンが膨らむ、というものではありません。硬くて強いグルテンはかえってパン生地を扱いにくく伸びにくくします。そういう小麦粉にこれらの増粘剤を加えると生地がスムーズに伸びやすくなる。
海外の小麦粉は日本の小麦粉に比べて粒度が粗かったり皮に近い部分が多く含まれているものが多いので、タンパク質の数値の割にはふんわり膨らまなかったり、焼いたパンの食感がパサつくと感じる日本人が多いです。
「海外の強力粉で作ったパンの食感がどうしても気に入らない」という場合、グアーガムを添加するのもひとつの手かと思います。
”添加物”とされますが、元々の原料は「豆」です。アメリカではヒスパニック系のスーパーでグアー豆そのものを売ってます。
小麦粉100gに対してグアーガム0.5gが使用量の目安です。
パンの品質改良に使われる増粘剤やゲル化剤には他にもアルギン酸、ペクチン(ゼリーやジャム用とは違う種類のもの)、CMC、HPMCなどがありますがそれぞれ特徴が違います。
ゼラチンを加えるレシピも見たことがありますが、溶けにくいので使い方に注意が必要なのと動物性ならではの独特なニオイがあります。ちょっとベタベタした感じが出ます。
グアーガム入りの最強力粉ゴールデンヨット(日本製粉)は膨らみ過ぎに注意!だそう。
海外の強力粉に添加する場合もお気をつけください。
注)増粘剤やゲル化剤で無理やり水分を保持させているパンはカビが生えやすいです。焼成後は早めに冷凍しましょう。
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