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世界で商売をする難しさとは

2024年9月17日火曜日

映画・テレビ 雑談


 みなさんはご覧になりましたか?


 先日、NHKの新プロジェクトXで「メルカリ」創業からこれまでの物語が放送されました。

 私も何回か自分のものをメルカリを通して売ったことがあります。いろいろと想定外の取引が起こって問題になったりもしましたが、中古品売買が日常ではなかった日本国内では大きな市場になりました。

 サービスの内容は全く違いますが、個人間のニーズをダイレクトマッチングさせるサービスと言う意味で、ちょっとUberに似ているように思います。

 メルカリの取引も最初の頃は「この人大丈夫かな?」「本当に写真通りの品物が送られてくるのかな?」と不安になりましたが、評価システムやレビューによって信用度を担保する仕組みによって安全性を高めています。Uberも初めて使った時は「知らない人の車に乗るって、、、」とかなり緊張しましたけど、何度か利用して仕組みがわかってくると、レビューや料金からサービス品質をある程度判断できるようになり、旅行の際には便利に使っていました。

 この番組の中で、”アメリカのメルカリは苦戦が続いている”という話がありました。

 メルカリは事業立ち上げ段階からグローバル展開を想定していたそうなのですが、番組を見ながら「そりゃ失敗するわ💦」と思わずつぶやいてしまった。。。

 当時の担当者の方が「日本のやり方をそのまま持って行った」と仰っていました。

 これ、海外事業苦戦あるある、です。

 メルカリがアメリカでうまくいっていないのと同じく、日本ではUber(ライドシェア)がうまくいってません。それぞれの国で「流通や市場の仕組み」「消費者の価値観」などが違うので、そのまま持って行ってもうまくハマらない。製造業も同様です。ロシアでもアメリカでも、ビジネスの慣習が日本とは違うことに駐在員が板挟みになって苦労するのを傍で見てきました。

 日本とアメリカ、製造業の品質やロスに大きな差があります。

 日本ではロスや無駄を省いてコストを下げることに最大限の努力を払うのが当たり前。

 アメリカでは一定数の不良品が出るのが当たり前。どんどん作ってどんどん売る。不良品や気に入らないものは返品交換もしくはすぐさま返金する。

 常に一定数の不具合品が出るので、それを販売するアウトレットモールがスーパーマーケット並みにたくさんあります。(日本のアウトレットモールは売るものが無いからメーカーがそれ用にわざわざ作ってますよね😂)

 さらに、所得格差が大きいため、リユース品を販売する「スリフトショップ」もた~くさんある。フリーマーケットも盛ん。

 富裕層はべらぼうに高いブランド品を購入し、中間層はアウトレットモールを適宜利用し、節約層はスリフトに通う。

 メルカリが日本のように利用されない理由はそういうことなんだろうと思います。個人間の取引に日本ほど信用が無いことも影響しているでしょう。


 私は今、アメリカでベーカリーを運営する友人の事業に関わっています。彼女はまだ在米数年で、心も考え方も”日本人”。例えば、自分のお店に行列ができると、「大急ぎでやらなくちゃ💦」と一心不乱にレジ作業に没頭してしまう。

 でもね、アメリカ人従業員だったらそんなことに責任を感じて頑張ったりしません😅 並んでいる人たちは、見ず知らずの他人でもフレンドリーに声をかけあって和気あいあいと待ってくれるし、なじみのお客さんならレジのついでに一声二声世間話でもした方が喜ばれます。(日本人的には”無駄口たたかず早くやれ!”と思うんですけどね。。。)

 私自身も国内のアメリカ系企業で数年働きました。日本の生活習慣に合わないとわかっていながら米国本社の指示に従うしかなかったり、自分たちのやりたいことが理解してもらえなかったり、いろいろ苦労がありました。

 美味しいものは世界共通ですが、食べ方や季節感などの食習慣は国や地方によって違います。在米5年の間にじっくりアメリカを観察して学んだこと。彼女にはそれを踏まえて提案したりアドバイスしたりするよう心がけています。日本と同じサービスは通じない。アメリカの人たちが”当たり前”としてきたことを知らないと、喜んでもらうことはできません。自分の考えに自信が無い時は「周りのアメリカ人にも意見を聞いてみてね」と頼んでいます。

 本物のグローバル企業は、「日本ではこう」なんて小さなことは言わず、もう世界各地で全く別の組織やシステムとして運営されているのだろうな、と思います。


日本人の大好きなミスドもアメリカには1店しかない!😆

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