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本当に美味しいパネットーネをいただきました

2024年11月26日火曜日

パネトーネ/パネットーネ



日曜日、日本橋のレンタルスペースで開催された「パネットーネソサエティ」主催のパネットーネコンテスト2024を観覧しに行ってきました。


予定では13時から18時まで、プレゼン、審査、結果発表、試食まで5時間の長丁場。私はもちろん審査から見たい。良いパネットーネの評価基準は何か、本物を知る方々がファイナリストのパネットーネを食べてどう表現し何を質問するのか、そんなのを聞ける機会はココしかありません。

このコンテスト、2022年から開催されています。私は当時も自分のブログに書いていて、アメリカから協会に入会できるか問い合わせをしたほど(なぜか返信がありませんでしたが😓)


このパネットーネ啓蒙活動も多分に影響しているのでしょう。今年は本当に多くのベーカリーがパネットーネを販売しています。私のところにもお問い合わせやご相談をたくさんいただいてます。

私のパネットーネ歴は長いです。

30年以上前、業務で愛知県小牧市の(株)コモを訪問する機会があり、そこで初めて、定期的にイタリアから空輸される布に包まれたリエヴィトマードレを見せてもらいました。普通のパンのように柔らかいパネットーネになぜ何か月もカビが生えず美味しく食べられるのか、研究室に戻ってからそれを科学的に立証するための試験を担当しました。

そこから20年の後、2014年の12月、夫がミラノに海外出張という幸運が、、、何と役得な‼



お土産にはスーツケースに入るだけ本場のパネットーネとパンドーロを買ってきて!と頼みました。これを機に、私はパンドーロ、夫はパネットーネに本格的にハマったのでした。

というわけで、私の趣味というか仕事ではあるのですが、一応夫にもコンテストに一緒に行くか聞いてみた。返事は「うん」。ということで、全くの部外者ながら夫も私の隣で5時間付き合ってくれました😅


日本人審査員は、委員長のピアットスズキの鈴木シェフ、2022年優勝者のコシュカ秋元シェフ、フランス菓子ジャーナリストの並木さん。


外国人審査員はイタリア人シェフ2名と、2023年優勝者の大阪ペシュミニョンのブロンデル氏(フランス人)

ミラノ・クラッシコ(レーズンと柑橘ピールのオーソドックスなパネットーネ)部門と、チョコレート部門の両方で優勝した、富山のグランオム小嶋シェフ



その他ファイナリストのみなさん&鈴木シェフ


結果発表の後は、お待ちかねの試食タイム♪ シェフ自ら自分のパネを切り分けてくださいました。コンテストの観覧者はせいぜい数十名くらいでしたから、シェフと直接お話することもできました。


私がこのコンテストに行って最も良かったと思ったこと。それは、各々のパネットーネについての質疑応答を聞いた後に、それを踏まえて試食できたこと。


特に、イタリア人審査員のお二人からは、素材について細かな質問がされていました。オレンジピール、アロマミックス、バター、チョコレート、、、

質疑応答の内容を意識しながらそれぞれのパネットーネをいただくと、「あ~なるほどね」と納得することしきり。食感も香りも全く違う。

小嶋シェフは、外国人審査員の評価ポイントを踏まえた上で、今回はコンテスト用に世界に通ずるクオリティのパネットーネを試作し、優勝に自信を持って臨んだそうです。結果を伴ったことでものすごく自信になったことでしょうね。すごい👏


想定外だったのは、一昨年優勝した秋元シェフのパネットーネと、


昨年優勝したブロンデル氏のパネットーネも試食が用意されていたこと!


入場料2000円でしたから。なんと贅沢なこと!!!

そして、私はこの↑ブロンデル氏のパネットーネにノックアウトされました~😍😍😍


大阪で奥様とお二人でパティスリーをされているそうで、奥様が通訳として同席されていました。ご覧のとおり仲睦まじくて見ていてホッコリ😍 ぜひ大阪のお店にも行ってみたいです。

私はちゃっかりお二人に突撃して、悩殺されたとろけるパネットーネについて根掘り葉掘り質問してきました😅 シェフは「えー、それはお金もらわないと答えられない」と半ば冗談で渋りながらもちゃんと教えてくださいました。

あんな贅沢なパネットーネを自分が自宅で作ろうとは思っていませんが、思わず唸ってしまうパネットーネってこういうのなんだと知れたのは良い勉強になりました。シェフはフランス人ですが、パネットーネにはルヴァンではなくミラノのシェフから受け継いだ80年物のリエヴィトを使っているそうです。


今回の審査で強く印象に残ったのが、欧州のシェフは素材の味や香りについての知見が深いということ。フランスやイタリアでは、ブーランジェリー(パン屋)とパティスリー(菓子屋)のうち、発酵菓子(パネットーネやパンドーロ)やヴィエノワズリー(ブリオッシュやクロワッサン)はパティスリーが作るのが一般的。バター、フルーツ、チョコレートなどの品質やブランドについて細かく質問され、菓子材料に疎いパン屋さんは質疑応答でしどろもどろに、、、日本のパン屋さんはせいぜい焼菓子を少し作る程度、パティシエやショコラティエのような知識や技術を持つ人は希です。

日本のお客さんの好みや販売価格に見合う原価の商品と、世界で評価される本格的なパネットーネの間に今はまだ解離があるとは思いますが、やっぱり実際に食べてみると世界品質のパネの美味しさは格別です。

バターやバニラの香りやかんきつ類の風味など何もかもが贅沢な配合のパネットーネでは、リエヴィトの酸味も含めてそれらが混然一体となってバランス良く主張していないと「美味しい」と評価されない。

そこは、自分もこれから少し意識してこだわってみたいなと思ったところでした。

読んでいただきありがとうございました。最後にブログトップの応援ボタンを押してくださると嬉しいです。お互い良い一日になりますように(^^♪
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